睡眠負債と蛋白尿:横断研究

Clin Exp Nephrol 2020; 24: 143–150.

Sleep debt and prevalence of proteinuria in subjects with short sleep duration on weekdays: a cross-sectional study.

Aoki K, Yamamoto R, Shinzawa M, Kimura Y, Adachi H, Fujii Y, Tomi R, Nakanishi K, Taneike M, Nishida M, Kudo T, Yamauchi-Takihara K, Isaka Y, Moriyama T.

短睡眠時間は、様々な生活習慣病や全死亡のリスク因子です。我々の研究グループは、大阪大学の職員健診受診者を対象にした後ろ向きコホート研究において、5時間以下の睡眠時間が蛋白尿の予測因子であることを報告し(Yamamoto R. Am J Kidney Dis Am J Kidney Dis 2012; 59: 343–355)、短時間睡眠が腎臓病のリスクであることを明らかにしました。しかしながら、必要な睡眠時間は個人差が大きいため、平日5時間しか寝ていない人でも、日中全く眠気を感じない人もいれば、日中絶えず眠気を自覚する人もいます。


そこで、我々の研究グループは、平日と休日の睡眠時間の差を睡眠負債と定義して、睡眠負債と蛋白尿の関連を評価しました。本研究は、平日睡眠時間6時間以下の大阪大学の職員健診受診者5,799人を対象にした横断研究です。平日と休日の睡眠時間(≦5時間、5-6時間、6-7時間、7-8時間、8-9時間、9時間以上)の差を睡眠負債指数と定義し、睡眠負債指数と蛋白尿(≧1+)の関連を多変量補正ロジスティック回帰モデルで評価しました。その結果、睡眠負債指数3以上の職員では蛋白尿の有病率が有意に高く(下図)、睡眠負債と蛋白尿の関連が示唆されました。


腎臓に優しい睡眠時間は、平日と休日の睡眠時間の差が2時間以内におさまる程度の睡眠時間であると言えそうです。

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