5時間以下の睡眠時間は蛋白尿のリスクである

山本研究グループから報告された疫学研究を紹介します。第1弾は2012年にAm J Kidney Disに発表した「睡眠時間と蛋白尿の関連」です。

Yamamoto R, Ngasawa Y, Iwatani Y, et al. Self-reported Sleep Duration and Prediction of Proteinuria: A Retrospective Cohort Study. Am J Kideny Dis. 2012, 59 (3): 343-355, PubMed 22019276

本研究は、2006〜2009年度に大阪大学保健センター(現キャンパスライフ健康支援センター)で職員健診を受診した大阪大学職員6834人を対象にした後ろ向きコホート研究です。初回健診時のアンケート調査で回答した睡眠時間と蛋白尿(尿蛋白≧1+)の発症の関連を評価した結果、睡眠時間が短い程、その後蛋白尿を発症する可能性が高いことがわかりました(下図)。

多変量補正Poisson回帰モデルを利用して、睡眠時間7時間以上の職員と比較して、6時間、5時間、4時間以下の職員が蛋白尿を発症するリスク(incidence rate ratio)を計算したところ、それぞれ1.07 (95%信頼区間0.87-1.33)、1.28 (1.00-1.62)、1.72 (1.16-2.53)であり、5時間以下の睡眠時間が蛋白尿発症のリスクであることがわかりました。

それまで睡眠時間が腎臓病に及ぼす影響はあまり評価されていなかったですが、睡眠不足が腎臓病のリスクになり得る可能性を示した本研究は、腎臓病の発症を予防する上で、少なくとも6時間以上の適切な睡眠が必要である事を示唆し、国内外で高い評価を受けています。

ちなみに、先日紹介した私たちの研究がreference 16として引用されていまして、筆頭著者としてはちょっぴり嬉しいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

One Reply to “5時間以下の睡眠時間は蛋白尿のリスクである”

  1. 健康診断でタンパク尿が二回連続出て
    これは…と思い、病院に行くが
    全く出なかった。
    思い当たる節が睡眠。
    病院に行く2週間ほど前からしっかり睡眠を
    取っていた。関係はあると思う。

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